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  • 執筆者の写真ソプラノ歌手 西尾 薫

1.17祈りのコンサート終演

前回長々書いた記事の公演。

神戸市混声合唱団・神戸市室内管弦楽団

1.17祈りのコンサート2020終演しました。


神戸市混声合唱団の一員として歌いました。

祈りを込めて、歌いました。




このコンサートは30年の歴史ある神戸市混声合唱団先輩方が始められたコンサート。

自分たちも被害にあったのに。

近しい人が亡くなったり、悲惨な状況を目の当たりにしたりしていたのに。

神戸市混声合唱団、神戸市室内管弦楽団の存続も危ぶまれたのに。

音楽の力を信じて始められた1.17のコンサート。


この祈りのコンサートは、祈りの場所。


Vasksの"Dona nobis pacem" "われらに平安を与えたまえ"

はじめは普通に聞いてくださっていたお客様が、

曲に連れて、手を組んで、強く強く祈っておられました。


心が震える弦楽の響き。厳しい不協和音に締め付けられていく心。

そして一瞬の静寂の中から、地の底から現れる歌声。

次第に和音が重なりあっていき、

遠くから平和の響きが聞こえてくる。


そんな場面で、男声しか歌っていないはずの歌声の中に、

少女の声が聞こえました。


それは倍音。というマジレス不要です。

私にはそう聞こえたんです。


Dona nobis pacem

沢山の子どもたちも犠牲になった阪神・淡路大震災。

彼らが生きたかった、生きることができなかった未来に、

私は生きている。

なぜ私は生きているのか。なぜ私は歌うのか。

祈りを、歌にのせて。


合唱、弦楽、客席の皆様…

会場全体の祈りの心に、目頭が熱くなりました。


コンサートの最後に歌った青森の言葉を用いた田中利光「四季」の春は、

東北に明るい春が訪れるようにとの思いで選曲された曲。

思い切り明るく歌いきりました。


神戸の空も、東北の空も続いているひとつの空。

世界中が同じ空。

突き抜ける青空が広がる「春」が世界中に訪れますように。

そしてこの祈りが、天までも届きますように。


神戸市混声合唱団Twitter↓



1.17翌日の空は

まさに突き抜ける青空でした。





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