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執筆者の写真ソプラノ歌手 西尾 薫

うたはどこで憶えた?



うたはどこで憶えた?


母親が歌ってくれた子守唄?

授業で習ったうた?

テレビの歌手が歌ってたうた?

"たたかい"を知って憶えたうた?…


いよいよ2019年9月7日

本日となった神戸市混声合唱団秋の定期演奏会


そこで演奏する

林光作曲、佐藤信作詩の「うた」というソングについて。


エネルギーあふれまくるこの曲を歌うと毎回倒れそうになります。(いや今回どの曲も音と想いのエネルギーがすごい。。)


「うた」(1982年)


当時民主化運動のさなかにあったポーランドのために開いた「ポーランド緊急支援コンサート」(1982年1月27日)

そのために作り初演した報告劇『ワルシャワ労働歌のうた』(台本:佐藤信・作曲:林光)の劇中歌。


“うたはどこで憶えた”

が繰り返される4連の詩。


1.うたはどこで憶えた

  半分眠りながら憶えた

  母さんの声が 

  夢の戸口あける

  くぐり戸の向う

  明るい景色が揺れた

  

  ぼうやの子守はどこへ行った

  あの山越えて 谷越えて


2.うたはどこで憶えた

  教科書開いて憶えた

  見知らぬ場所を

  風が吹き抜けていく

  黒板の地図を

  書き写す船乗りたち


  ナジカハシラネド ココロワビテ

  ムカシノツタエゾ ソゾロミニシム


著作権的に全文載せられない気がするので3連4連やめときます。ググったら全然でてきます。

………


最後は、

「うたはどこで憶えた 

 たたかいを知って憶えた」

これを繰り返して終わります。


"自分の口から「たたかい」という言葉が出たことへの衝撃を感じて"と指揮の藤井宏樹さんはおっしゃっていました。


この詩には引用があります。


1連は「江戸の子守唄」「母さんの声が 夢の戸口あける」というのは、産道から生まれてくる様子。


2連は 学校の教科書を開いて覚えたドイツ歌曲「ローレライ」の訳詩 「黒板の地図を書き写す船乗りたち」は居眠りをして船をこいでいる様子。


3連は1959年に水原弘が歌って第1回レコード大賞をとった昭和歌謡「黒い花びら」


4連はロシア統治下にあったポーランドの革命歌として歌われた「ワルシャワ労働歌」の訳詩から。日本の学生運動でも歌われた。


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ねんねんころりよ おころりよ

ぼうやはよい子だ ねんねしな


"ぼうやのお守りは どこへ行った

あの山こえて 里へ行った"


「江戸の子守り唄」より抜粋


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Ich weiß nicht, was soll es bedeuten,

Daß ich so traurig bin;

Ein Mährchen aus alten Zeiten,

Das kommt mir nicht aus dem Sinn.

訳詞

"なじかは 知らねど

心わびて 昔の伝えぞ そぞろ身にしむ"


F.ジルヒャー作曲

H.ハイネ作詞

ドイツ歌曲「ローレライ」より抜粋


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黒い花びら 静かに散った

あの人は帰らぬ 遠い夢

俺は知ってる 恋の悲しさ 恋の苦しさ


"だからだから もう恋なんか

したくない したくないのさ"


歌:水原弘

作詞:永六輔 

作曲:中村八大

1959年の歌謡曲

「黒い花びら」より抜粋


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 自由の火柱輝かしく

 頭上高く燃え立ちぬ

 今や最後の闘いに

 勝利の旗はひらめかん


 起て はらからよ ゆけ闘いに

 聖なる血にまみれよ

 "砦の上に我らが世界

 築き固めよ勇ましく"


「ワルシャワ労働歌」より抜粋


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…という、それぞれそのままの言葉を取り入れているんですね。


 

「たたかいを知って憶えた」


今、この時代にも、どこかで戦っている人がいて…

戦いがない世の中というのは、くるんでしょうか。

うまく表せないですけど、歌は、戦いではなく、希望につながっていてほしいと思います。


今回、「世界への希望」と題した藤井宏樹さん渾身のプログラム。

神戸市混声合唱団の一員として全力で奏でます。

是非おこしください!

チケットは

にご連絡ください!




以下演奏会詳細です。

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神戸市混声合唱団

秋の定期演奏会

「世界への希望」


日程: 2019年9月7日(土)14:00開演(13:30開場)

会場: 神戸文化ホール 中ホール

料金: 一般4,000円 U25(25歳以下)1,000円 (全席指定)

出演:

指揮:藤井 宏樹


神戸市混声合唱団

プログラム:

♪ バビロンの川のほとりで

  G.パレストリーナ 作曲

♪ すべて道ゆく人よ

  P.カザルス 作曲

♪ 鳥の歌

  カタロニア民謡  寺嶋 陸也 編曲

♪ 混声合唱団ための「うた・願い・明日ともなれば」

  佐藤 信 詩、F.G.ロルカ・長谷川 四郎 訳  林 光 作曲

♪ 混声合唱と2台のための交聲詩「海」


  宗 左近 作詞  三善 晃 作曲



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